認知症と難聴
高齢者の運転免許更新にあたっては認知症と判定されると免許の取り消し・停止の処置がとられるようになりました。近年、認知症の危険因子に難聴が追加され、今年の1月には国際シンポジウムも開催されています。加齢に伴う難聴(病気ではなく)は徐々に進行するため本人の自覚に乏しく、家族などに指摘される場合が多くみられます。本人が気付く頃には高度難聴になっており。日常生活に支障をきたすようになってきます。聞こえにくくなると会話などのコミュニケーションに障害が出てくるため、周りに気兼ねをして会話を避ける方もおられます。こうなると、脳に対する刺激も少なくなり、様々な情報処理に対する能力の衰えが進行することになるため、認知症に至るわけです。こういった理由から、難聴がありコミュニケーションに問題が出てくれば耳鼻咽喉科を受診しましょう。聴力検査などを受け、補聴器が必要と診断されれば、補聴器の装用を積極的に考えましょう。自己判断や不適切な補聴器装用で、補聴器を購入しても効果が出ずに悩んでいる方を多く見かけます。補聴器は基本的にはオーダーメイドです。信頼できる補聴器店(認定補聴器店など)を耳鼻咽喉科で紹介してもらい、納得のいく(効果のある)補聴器を使いましょう。
松田耳鼻咽喉科(大阪市鶴見区)
院長