のどの痛み・発熱に注意:溶連菌感染症が増えています
溶連菌感染症の患者さんが増えています。お子さんだけでなく、成人の方にも多くみられます。
「子どもの病気」というイメージを持たれがちですが、溶連菌感染症は大人にも感染します。ご家庭内で、お子さんから保護者へ、また兄弟姉妹間で感染が広がることもあります。
溶連菌感染症は、正しく診断して抗菌薬で治療すれば、多くの場合は改善します。一方で、自己判断で放置したり、薬を途中でやめたりすると、周囲へ感染を広げたり、まれに合併症につながったりすることがあります。
発熱や強いのどの痛みがある方は、早めにご相談ください。
溶連菌感染症とは?
溶連菌感染症は、主にA群溶血性レンサ球菌という細菌によって起こる感染症です。主に口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)に炎症を起こし、発熱や強いのどの痛みの原因になります。
小児に多い感染症ですが、成人にもみられます。特に、ご家族や園・学校・職場など身近なところで流行している場合は注意が必要です。
よくある症状
溶連菌感染症では、次のような症状がみられます。
急な発熱
強いのどの痛み
口蓋扁桃の腫れ
口蓋扁桃に白い膿のようなものが付く
首のリンパ節の腫れ
頭痛
腹痛、吐き気
体や手足の細かい発疹
舌が赤くブツブツする、いわゆる「いちご舌」
一方で、咳や鼻水が目立つ場合は、ウイルス性のかぜのこともあります。症状だけでは判断が難しいため、必要に応じて検査で確認します。
当院での検査について
溶連菌感染症は、症状だけでは通常のかぜと区別が難しいことがあります。
当院では、溶連菌感染症が疑われる場合、抗原迅速検査を行うことで、受診当日に診断することができます。のどを綿棒でぬぐって検査を行い、比較的短時間で結果がわかります。
また、15歳未満のお子さんでは、必要に応じて、より感度の高い核酸増幅検査を行うことができます。抗原迅速検査では判断が難しい場合や、症状・流行状況から溶連菌感染症が強く疑われる場合に、診断の助けになります。
「発熱とのどの痛みがある」「家族や園・学校で溶連菌が流行している」「以前にも溶連菌にかかったことがある」このような場合は、受診時にお知らせください。
大人の方も注意が必要です
成人の場合、「仕事があるから」「ただののど風邪だと思った」と受診が遅れることがあります。
しかし、溶連菌感染症は大人にも感染します。ご家庭内でお子さんから保護者へ感染したり、職場で広がったりすることもあります。
特に、同居のご家族に溶連菌感染症の方がいる場合に、発熱や強いのどの痛みが出たときは注意が必要です。症状が軽くても、周囲へ感染を広げてしまうことがあります。
治療で大切なこと
溶連菌感染症では、抗菌薬による治療を行います。
治療を始めると、発熱やのどの痛みは数日で改善してくることが多いです。ただし、症状がよくなったからといって、自己判断で薬を途中でやめないようにしてください。
処方された抗菌薬は、医師の指示どおり最後まで飲み切ることが大切です。途中で中止すると、再び症状が出たり、周囲への感染や合併症予防の面で問題になったりすることがあります。
登園・登校の目安
適切な抗菌薬を開始すると、一般的に感染力は低下していきます。
登園・登校の目安は、抗菌薬開始から24時間以上経過していること、熱が下がっていること、全身状態がよいことです。
ただし、解熱していない、ぐったりしている、食事や水分がとれない場合は、無理に登園・登校・出勤しないようにしましょう。園や学校、職場で決まりがある場合は、それぞれの規定に従ってください。
家庭で気をつけること
ご家庭では、次のような点に注意しましょう。
手洗いをこまめに行う
タオルやコップの共用を避ける
咳やくしゃみがある場合はマスクを使う
処方された薬を自己判断で中止しない
家族に発熱やのどの痛みが出たら早めに相談する
溶連菌感染症は、家庭内で広がることも少なくありません。特に小さなお子さんがいるご家庭では、ご家族全員の体調にも注意しましょう。
早めに受診してほしい症状
次のような場合は、早めに医療機関へご相談ください。
強いのどの痛みと発熱がある
家族や園・学校・職場で溶連菌が流行している
のどの痛みに加えて発疹がある
水分がとれない
呼吸が苦しそう
首の腫れや痛みが強い
抗菌薬を飲んでも症状が改善しない
一度よくなった後に再び発熱する
特にお子さんの場合は、症状をうまく言葉で伝えられないこともあります。「いつもより元気がない」「食べない・飲まない」「機嫌が悪い」といった様子がある場合も注意してください。
まとめ
溶連菌感染症は、子どもだけでなく大人にもみられる感染症です。最近は、成人の方にも多くみられています。「のどが痛いだけ」「ただのかぜだろう」と思っていても、検査をして初めてわかることがあります。
当院では、溶連菌感染症が疑われる場合、抗原迅速検査で受診当日に診断できます。また、15歳未満のお子さんでは、必要に応じて感度の高い核酸増幅検査も可能です。
早めに診断し、適切に治療することで、つらい症状を軽くし、周囲への感染拡大や合併症の予防につながります。
発熱や強いのどの痛みがある方、身近で溶連菌感染症が流行している方は、無理をせずご相談ください。

